文部科学省が英語の教職課程にコアカリキュラムを作成し導入する方針を打ち立てた。

今後、英語教員の質が上がる一歩と成り得る施策に喜びを感じる一方、現在の英語教職課程の緩さにもなぜ今まで改革を行わなかったのか?と疑問に思う点もある。

この記事の筆者自身は早稲田大学教育学部英語英文学科を卒業しているが、早稲田大学でさえ英語の指導レベルを推進するような授業内容ではなく英語力の強化は生徒の自主性に任させている部分があった。大学で判断するわけではないが、あまり名の知れていない大学での英語教育はいかがなものかと疑問に思う。

今回のコアカリキュラムが英語教育の質改善へとつながることを祈るばかりだ。

 

 

コアカリキュラムとは?

 

コアカリキュラムのコアとは核(=Core)の意味だ。

1930年代にアメリカ合衆国で提唱された教育形態で、子供の生活生活上の問題を解決するための単元学習からなる「中心過程(コア)」とそれを支えるものとしての専門分化した体系的な知識、芸術、技術の習得を目的とする「周辺課程」とから構成されている。日本でも戦後コアカリキュラムが導入された。

 

現在のコアカリキュラムの認識は、「必修教科」とでも言えようか。

カリキュラムのコアになっているもので、医学部などが良い例だ。

2002年度より、医学部と歯学部では大学での授業内容の3分の2をコアカリキュラム、残りの3分の1を各大学オリジナルのカリキュラムとなっている。

医学部に通う学生は、

A、医の原則、医療における安全性確保、コミュニケーションとチーム医療、課題探究・解決と学習のあり方

といった項目に分かれるA~Gまでの項目を必修授業として学ばなければならない。

Gは臨床実習として診察の基本や診察の方法を実践的に学習する。

医学教育モデルコア・カリキュラム(文部科学省)

 

しかし、それに対して大学での英語教育はコアカリキュラムとはなっていない。

 

私自身は早稲田大学教育学部英語英文学科に所属していたが、英文学、米文学、英語表現、ディベートなどなど基本的に自分の選択で授業を取得できる。

もちろん英文科なので、最低の必修教科はあったが、英語の授業以外に教職課程を取得すれば、英語の教員になれるわけだ。

 

これがコアカリキュラムが導入されるとすると、大学での取得授業の3分の2はコアカリキュラムとなるわけだ。

英語指導法、発音、英文法

などなどが必修教科、つまりコアカリキュラムとして設定されるのであろう。

 

 

現在の英語教職課程の問題点

 

現在の英語教職課程の問題に関しては、東京都市大学教授の山崎朝子さんの考察が非常に役に立つ。

→ 英語科教職課程の現状と課題

 

・基本的な英文法や音声学の代わりに英語学などのあまりに学問的な授業が多い
・基本的な英語力をつけるための「教科に関する単位数」が減った
・大学での1クラスあたりの生徒が多い
・授業の受講許可の英語力の基準を設定している大学が少ない

現状の大学での英語教職課程について問題点が挙げられている。

その他にも教員実習での求められる人材等についても言及されているので、是非読んでみてほしい。

 

 

とっても厳しい個人的な言い方をしてしまえば、あまり英語ができなくても英語の教員になれてしまうのが現状の最大の問題点だと思われる。

もちろん志をもって、英語を徹底的に学び良い授業を提供しようとしてくれる素晴らしい教職員も多いに違いないが、

十分な指導を行うだけの英語力があるかどうか
適切な指導を行うプレレッスン
良い授業の定義

などなどを学ばずに英語教員になれてしまう道が存在するし、教員になった後も監視や訓練を受ける仕組みが希薄な状態では英語指導の質をあげるのは難しいだろう。

今回のコアカリキュラムの設定で、英語教員への入り口がハードルをしっかりと超えたものとして完成し、英語教育の質があがることを願ってやまない。