留学を必修とする大学が増えてきた。
国公立の一橋大学が2018年度より1000人の新入学生全員を短期留学必修とすることを決めた。追随するかのように立教大学や早稲田大学も留学を必修とし、学生達にとっては楽しみでもあり、辛いイベントになるかもしれない。
今回はワシントン大学に1年間の交換留学をした著者より、留学前に単語を完璧する理由について述べさせてほしい。
短期留学だけではなくがっつり長期の留学をする大学生にとっても役に立つ内容であろう。
留学の勉強は辛い
実は留学と一言で言っても様々なプログラムが用意されている。(今回は大学からの留学に絞らせてもらった)
提携している日本の大学のレベルやTOEFLのスコアによって留学のプログラムは違ってくるのだ。
・他の留学生と語学の授業を受けるコース
・他の留学生と語学の授業を受けた後に、正規の学生と共に授業を受けるコース
・交換留学生として、完全に正規の学生と共に授業を受けるコース
大学からの留学であれば、主にこの3つに分けられるだろう。
実のところ、留学というのは語学を学びにいくケースがほとんどだ。英語を十分に理解できない、英語が話せない学生には正規の留学は用意されておらず、一部の積極的な性格の学生を除いては、他の国からの留学生同志とつるんで終わってしまう生徒も少なくない。
しかし、勉強の面ではそこまで辛くはないので、積極的に現地の学生とコミュニケーションを取る機会を設けることもできる。
一方、正規の留学生として交換留学をする場合は勉強はかなり辛い。
毎回の授業で本1冊くらいの予習が出るのだ。1つの教科につきそれくらいの予習が出るので、4~5つも授業を取っていると、1週間に4~5冊程度の本を読んで授業を受けなければならない。それに加えて調べものやレポートも出されるので。土日は1日中勉強になるし、平日は徹夜をしないとならない日も出てくる。
現地の学生であれば、母国語なので予習も流し読みできるが、留学生にとっては異言語を読むわけなので物凄い時間がかかってしまう。これが留学の勉強は辛い!と感じる所以だ。
あの孫正義も留学中は1日3時間しか睡眠を取らず、昼夜勉強に勤しんだそうだ。
なぜ、そこまで予習をしなければならないかと思うと、授業中に意見を求められるからだ。
自分の言葉で予習に対しての意見が言えないと無能だと見なされてしまう。アメリカの大学はそのあたりは非情だ。
留学前に英単語を完璧に覚える理由
私は交換留学をする前に、約10、000の単語を覚えてから留学をした。
TOEICとTOEFLの勉強をしていたので、使用していた英単語帳が5,000語ずつあったのだ。大学3年生で海外に1年間行ったので、約2年半英語を勉強してから留学したことになる。この期間に単語だけはしっかりとやっていて本当に良かった。
理由①
教科書、プリントの予習が捗る。
先にも述べたが、鬼のような予習の宿題が出される。受験英語では習わないような専門的な英単語も当たり前のように出てくるので・・・知らないと調べる時間が物凄く時間がかかるのだ。
例えば私は経済学や会計学の授業を受講していたが、asset (資産) liabilities (負債)、opportunity cost (機会費用)、marginal cost (限界費用)などの英単語は予め覚えていた。
もし、これらの専門用語(jargon)を知らずに留学をしていたら・・・予習に倍以上の時間がかかってしまっただろう。
理由②
なんとなく授業で言っていることがわかる
次に英単語が予め頭にストックされていれば、授業で先生の言っていることがなんとなくわかるケースがある。
私は政治・経済関連の知識には明るかったので、授業を聞いていても問題なかったが、「エネルギー政策」の授業を受けた時は、はっきり言ってチンプンカンプンだった。
エネルギー政策の専門用語を知らなかったので、理解するまでに時間がかかった。翌週からは予め読み物をしっかり読んでから授業に臨めたが・・・それでも政治・経済の授業に比べると段違いで理解が弱かったのだ。
理由③
なんとなく自分の言いたいことを伝えられる
ホストファミリーや友人と話す時に、どうしてもなんて言ってよいのかわからない時がある。第一言語ではないので当然だ。
しかし、その時に単語を知っているか知らないかで雲泥の差が出てくる。
例えば、頭を乾かすためのドライヤーを使いたかったとしよう。コンセントが見当たらない・・・
この場合は、コンセントの単語がわからないとどうしようもない。しかし、コンセントが「outlet」という単語だと知っていれば、「outlet」と言うだけで解決する。
You:『outlet!』
host mother :『Oh, are you looking for an outlet? What for?』
と、状況を察して聞いてくれるので、ドライヤーを見せればいい。ドライヤーを英語でなんて言うのか教えてくれるだろう。
このように単語さえ伝えてしまえば、なんとかなるケースが非常に多い。相手が察して話を進めてくれるからだ。そうやって言語は覚えていくものだ。
理由④
格段に英語ができるようになる
語彙力の威力は恐ろしい。
「留学前にめちゃくちゃ英語を勉強しよう」と考える人と「留学すれば話せるようになるだろう」と考える人では、成長のスピードは格段に違う。
留学前に覚えた単語がどのように使われるか、新しい意味など様々な発見があり、知識と知識が結び合っていくような感覚になる。
リスニングに関してはもっとやっておけばよかった・・・と反省したが、2~3ヶ月も向こうで生活をしてみれば自然と慣れてくる。
しかし英単語は慣れるものではないのだ。日本人である以上、知らない単語が出てきた時に日本語として知らないといけないからだ。前後関係でなんとなくその単語の意味がわかるようにはなるが、結局日本語ではなんて言うのだろう?と調べなければならない。
だからこそ、予め覚えておくと楽なのだ。
まとめ
正規留学の勉強は辛い。
これから交換留学を控えている学生は、留学前に英語をしっかりと勉強してから渡航されることをオススメする。
英単語だけでも完璧にしてから留学ができれば、君の留学生活は明るいものになるだろう。
参考記事:TOEFLのオススメ英単語帳