ゆとり世代はいつから?と学習塾。個別指導塾との関連性。

文部科学大臣が改めて「脱ゆとり」を発表した。

日本の教育の歴史では詰め込み教育による落ちこぼれを作ってしまったとのことで、海外に習って「ゆとり教育」を実施したわけだが、今後は詰め込み教育と揶揄されぬようにアクティブラーニングを全面導入するようだ。

こうなると、いわゆる「ゆとり世代」と言われる人たちが今後も卑下の対象として見られてしまうのではないかと危惧する声もあり、今回は改めてゆとり世代について見ていきたい。

参考:「脱ゆとり宣言に、ゆとり世代が怒りの声」

 

結局、ゆとり世代はいつからいつまでなのか?

 

ゆとり世代の範囲や定義には諸説ある。

1980年代から学習指導要綱の改定が目指され、実際に施行されたのは小中学校で2002年から、高校で2003年からということになる。

日本の教育システムは中央集権ではなく、地方分権になっているとい特徴から統一までに時間がかかる傾向になる。改善案が出されてから実際に施行されるまでに20年ほどのスパンがかかってしまうのだ。

 

このことから、「ゆとり教育」を受けている世代は、

1987年4月2日生~2004年3月生

を指す場合が多い。実際に1987年4月2日以前に生まれた子供と比べて学校で学習する内容が大幅に削減されているのだ。

 

ゆとり世代の学習時間

ゆとり教育が実施されることが検討された時代は、「落ちこぼれ」が多い時期だった。

中学・高校では学校の規則を守らない生徒、いわゆるヤンキーやスケバンと言われる生徒達が多く教育システムを問題視する声が相次いだ。

そこで、1987年生まれから適用される「ゆとり教育」では大幅に授業時間が削減され、総合的学習が導入された。

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参照:文部科学省

小学校では、総合学習+生活の時間が大幅に増え、中学校では総合学習と選択授業が大幅に増えた。

土曜日が完全休日になり授業日数は減り、総合学習の時間が増えたため必然的に教科学習の時間が減ったのだ。

中学校に関して言えば、昭和37年と比較すると5教科で合計815時間も減っているのだ。

 

 

学習塾との関連性

このゆとり教育がすべての要因ではないが、学習塾の変遷から面白いことがわかる。

まずはこちらのグラフを見て欲しい。

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参考:NikkeiBP

1990年代までは、塾・予備校業界では「集団授業」つまり一斉授業が主流であった。

塾や予備校の授業は先生1人に対して、生徒が10名以上おり同時に指導するものであったのだ。しかも一般的なチェーンの学習塾では「学校の授業に対して予習」として授業を行う形式がほとんどだった。つまり、学校の授業を先取りして「競争に勝つ」というものだったのだ。

それが1990年代のバブル崩壊以降から徐々に変化を遂げ、2000年代からは「個別指導塾」が興隆する。

 

個別指導塾を選択するケースは圧倒的に「学校の授業についていけないから」という理由だ。

授業のフォローや補習を目的として、1人1人の生徒のニーズに合わせての指導を行う。今までのマス授業から個別授業のニーズが高まっていったのだ。

グラフを見ておわかりのように、ゆとり教育の導入以降爆発的に個別指導塾が学習塾市場のパイを食っているのだ。

 

まるでゆとり教育に合わせるかのように個別指導塾が増えている。

 

個別指導塾が増えた理由

私は長年、教育業界に身を置いているがこの大きな大きな流れを自分なりに考えてみたいと思う。

これは間違いなくゆとり教育が生み出した流れだと感じている。

 
①学校の強制力が減ったこと

まず、第一に公立の学校の強制力が減った。

私の時代では、内申点が相対評価だったこともあり「ライバルに差をつける」という点から宿題や学校の予習をよくやったものだ。それが当たり前のようだった。

例えば、英語の授業では、「ノートに英文を書き写す」「英単語の意味調べをする」「日本語訳をしてくる」というのは毎回の授業では当たり前であった。

それが今では大きな宿題と言えば、定期テスト前にワークを提出するくらいだ。

 

子供達にリサーチをしても、そこまで宿題を課されるケースが極端に減っているのだ。

というのも学校の先生の権力が以前よりないため、宿題をやってこなくても大丈夫な環境や風土ができあがってしまっている。

「言い過ぎなのでは?」と思われるかもしれないが、30年前の授業風景と、現代の授業風景を無作為に選んで比較でもできれば違いは瞭然だろう。

 

 

②純粋に学力が低下している

ゆとり教育の実施で純粋に学力は低下している。

強制力がないため、学校以外の教育機関でも子供達は「目標達成能力」が著しく低下しているように思える。

「来週までに〇〇をしなさい」

といった類の課題をこなせない子が増えているのだ。

これは、若手社員のゆとり批判を見れば一目瞭然だろう。当たり前のことが当たり前にできないということなのだ。

1980年代、1990年代は良い意味でも悪い意味でも親が熱心だった。

子供を競争のレールに乗せて中学受験、高校受験でもしのぎを削っていた。が、バブル崩壊後の経済停滞からそういった意識も減ってきた。幼少から教育を受けさせる機会が純粋に減ってきているのだ。

 

 

 

これらが、ゆとり教育にともなって個別指導塾業界が盛り上がってきている関連性だと考えている。

もちろんゆとり世代がすべて悪いというわけではないのでご留意いただきたい。こと勉強に言えば、私は良くない施策だと考えているが芸術やスポーツでは世界に飛び立ち活躍している人がたくさんいるからだ。

物事には光と闇の部分が必ずあるのだ。

万人が満足するシステムなんか存在するわけないのだ。最大公約数的にシステムを検討しなければならない。

 

 

まとめ

ゆとり教育は間違いなく学力低下を招いた。

また社会の大きな流れで公教育の強制力が徐々に衰退してしまった。相まって学習塾業界に新たな個別指導塾という選択肢を増やしたのであろう。