東京都の公立中学校の教育・勉強について思うコトを少しだけ

中学

個人の選択の自由はあるが、日本では小学校を卒業すると公立または私立中学に進学し中学校生活を送っていく。

同級生と過ごす3年間は生徒にとってはとても貴重で尊いもので、中学校生活が生徒の人生に影響を与えていく。日々勉強や部活動などにいそしみ、高校進学を希望する生徒はゆくゆくは高校入学試験を受けていくだろう。

そんな中学校生活に関して、特に公立中学校なのだが、職業柄個人的に勉強や教育の面で思うことがある。

今回は公立中学校の教育や勉強について個人的に思うコトを少しばかり書いていこうと思う。あくまで個人的な意見なので、教育関係者の総意ではないことに注意してもらいたい。

 

気になる2つの点

教育業界に携わって長いが、公立中学校の勉強や教育について気になる点が2つある。

①各教科の先生たちの裁量が大きすぎる

②公立中学校で学ぶ目的と高校入試の目的が合っていない

この2つだ。

 

①各教科の先生たちの裁量が大きすぎる

文部科学省の学習指導要領の第1章総則の第1教育課程の一般方針では次のように

中学校で指導するように定めている。

第1 教育課程編成の一般方針

  1. 各学校においては,教育基本法及び学校教育法その他の法令並びにこの章以下に示すところに従い,生徒の人間として調和のとれた育成 を目指し,地域や学校の実態及び生徒の心身の発達の段階や特性等を十分考慮して,適切な教育課程を編成するものとし,これらに掲げる目標を達成するよう教 育を行うものとする。  学校の教育活動を進めるに当たっては,各学校において,生徒に生きる力をはぐくむことを目指し,創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で,基 礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させ,これらを活用して課題を解決するために必要な思考力,判断力,表現力その他の能力をはぐくむとともに,主体 的に学習に取り組む態度を養い,個性を生かす教育の充実に努めなければならない。その際,生徒の発達の段階を考慮して,生徒の言語活動を充実するととも に,家庭との連携を図りながら,生徒の学習習慣が確立するよう配慮しなければならない。

【引用元:文部科学省 第1章総則

また、第4の指導計画の作成に当たって配慮すべき事項に関しては、

第4 指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項

  1.  各学校においては,次の事項に配慮しながら,学校の創意工夫を生かし,全体として,調和のとれた具体的な指導計画を作成するものとする。
    • (1) 各教科等及び各学年相互間の関連を図り,系統的,発展的な指導ができるようにすること。
    • (2) 各教科の各学年,各分野又は各言語の指導内容については,そのまとめ方や重点の置き方に適切な工夫を加えるなど,効果的な指導ができるようにすること。
  2.  以上のほか,次の事項に配慮するものとする。
    • (1) 各教科等の指導に当たっては,生徒の思考力,判断力,表現力等をはぐくむ観点から,基礎的・基本的な知識及び技能の 活用を図る学習活動を重視するとともに,言語に対する関心や理解を深め,言語に関する能力の育成を図る上で必要な言語環境を整え,生徒の言語活動を充実す ること。
    • (2) 各教科等の指導に当たっては,体験的な学習や基礎的・基本的な知識及び技能を活用した問題解決的な学習を重視するとともに,生徒の興味・関心を生かし,自主的,自発的な学習が促されるよう工夫すること。
    • (3) 教師と生徒の信頼関係及び生徒相互の好ましい人間関係を育てるとともに生徒理解を深め,生徒が自主的に判断,行動し積極的に自己を生かしていくことができるよう,生徒指導の充実を図ること。
    • (4) 生徒が自らの生き方を考え主体的に進路を選択することができるよう,学校の教育活動全体を通じ,計画的,組織的な進路指導を行うこと。

【引用元:文部科学省 第1章総則

 

上記のような指針のもと中学校の先生たちは生徒に指導をしていくのであるが、

「創意工夫を生かした」

「基礎的な力を習得させる」

といった抽象的な言葉しか見受けられず、基本的に各学校によってどのように

指導していくかは任されている。

こういったこともあり、同じ地域の公立中学校でも、

同じ学年であっても、ある中学は教科書にそって教えているところもあるし、

違う中学校では先生が個別に作成したプリントをもとに指導しているところもある。

また、同じ単元であっても、ある中学校では中学校では使わないような高校レベルの

内容を教えてテストで出題しているところもある。

確かに同じ公立中学校であっても、通っている生徒が異なれば

各中学で抱えている問題も違うと思うので、多少はその中学校の現実に合わせて

指導していくことも大切だと思う。

ただ、同じ公立中学であるにも関わらず、

あまりに教えている内容、進度が指導している教員によって変わるのは

問題があるのではないかと思う。

現実的に公立中学校に通って全く同じ教育内容を得ることは無理だと思う。

それでも公立中学校ならそういった差異を無くしていくことが必要だと思う。

なぜなら私立中学ではないのだから。

そのためには都道府県単位では無理でも、市町村単位で

・各教科の教科書を使用して授業をする

→教科書の内容だけでは指導時に不足があったり、生徒の興味関心を引きたい場合は

先生の自作のプリントを用いて指導をしてもよい

・学年、学期ごとにどこからどこまで指導しなければならないかを明確にする

→先生がその範囲の指導を完了させていない場合は、研修を受け教務力をアップさせる

という上記2点を定めるだけでも効果的だと思う。

現状の公立中学の先生方が悪いわけでは全くないが、

率直に申し上げて裁量が大きすぎると思う。

裁量が大きいので生徒の為になればと思い、プリントを作成したりとさまざまなことをしていくと思うが、

それが結果として学習内容の違い、進度の違いといった『違い』を生んでしまう。

生徒の関心を引くために深いことを教えるべきこともあると思う。

それが面白ければ生徒の学習意欲を湧き立てるからだ。

ただ、それが中学の勉強レベルから外れていて、しかも都立高校入試にも出ない

いわば先生の趣味の領域のものではあってはならないと思う。

ましてやその内容を生徒の将来が決まってくる定期テストに出題することは違うと思う。

私立中学であれば違うことはむしろ歓迎すべきことで、

各中学校の生き残りのために必要なことだ。

ただ、公立中学は私立中学とは違う。

文部科学省が定めた学習指導要領を達成するために、

指導する計画が決まった

指導する教材が決まった

もので指導をしていくべきだと私個人としては強く思う。

教科書だけで指導するのが難しいのであれば、

その教科書準拠のワークなどを補足教材にして指導すれば何も問題が無いと思う。

 

②公立中学校で学ぶ目的と高校入試の目的が合っていない

はっきりいって東京都の都立高校入試の問題は難しい。

公立中学校の定期テストで出題される問題とは段違いだ。

一度入試問題を見て頂ければわかると思うが、

英語ではほぼ長文、社会では資料を読み解きそこから違いを記述する、

数学では大問1こそ基礎的な内容だが、それ以外のところは深い知識が無いと解答できない。

国語も初見の長文読解をし、理科も3年間の学習知識がないと太刀打ちできない。

簡単にいうと、しっかりと勉強時間をとりつつ深い内容の知識まで網羅しないといけない。

こういった入試問題への対応は、先ほど上述した指導要領にそって勉強をしていく公立中学校では

できないと思うし、現実にできていないと思う。

これは正直しょうがないことで、公立中学の目的は学習指導要領を達成すること

入試では各高校の入学者を選抜するのが目的となっているのでそもそもレベルが違って当然である。

だからそのギャップを埋めるために生徒達は塾や習い事をして

そのギャップを埋めていくのだ。

(先生方もそのギャップを埋めようとして、プリントを作成されたりと苦労されていると思うが・・・)

だが塾ありきな現状では、通えていない生徒は自分自身の力でどうにかするしかない

学校の勉強だけでは入試に太刀打ちできない→塾に通う必要がある

という構図になっている現状で、これを変えられたらよいがおそらく変わらない。

であるのであれば、

・公立中学校に通学している生徒へは、塾へ通うための学習支援金を出す(国レベルの政策で)

ようにしたら、学校の先生方も、通っている生徒も楽になるしお互いにメリットがあるのではないかと思う。

(まあ実際こうなったら財源、私立中学に通っている生徒への対応などさまざまな問題が出てくるので

かなり難しいと思うし現実無理だと思う。ただ、個人的には税金がこのように子供たちが学習する機会に使われることは賛成だ。)

もしくは、

・中学校の教室を使い、決まった時間と曜日に塾の講師を招いて授業をする

これを税金で行えばいいとは思うが、そうなったらなったでいろいろと難しいだろう。

あるとしたら、

・公立中学校で学習する内容で対応できるように、東京都立入試を改革する

ことだろう。ただ、これでは選抜するという目的を達成できない可能性が残る。

それを排除できるような仕組みが出来ればよいが・・・・現実的に難しいだろう。

公立中学校と入試の目的が合っていない、これはおそらく永遠に解決されないテーマではあると思う。

こういった認識をもって勉強していかないと、結局困るのは生徒達だ。

入試ぎりぎりになって焦って勉強し始めても遅い。

出来うる対策としては、出来れば自分で、無理であれば早いうちから

塾に通って勉強していくことだと思う。

生徒達は大変だと思うが、何とか頑張っていって欲しい。

 

まとめ

①先生たちの裁量が大きすぎる

→学習するペースや教材は市町村単位で決めるべきだ

②公立中学校の目的と入試の目的が合っていない

→おそらく解決できない。生徒達が頑張って早期から勉強していくしかない

 

また何か思うコトがあればつらつらと書き留めていきたいと思う。