中学生の勉強は簡単ではない。数学1つを取ったとしても、中学1年生で正負の数、文字式、方程式など小学生では勉強しない事柄を学んでいく。学年があがるにつれて、より高度な内容になっていくので部活や習い事をしながら日々の勉強を進めていくのも大変だろう。
そんな難しい内容を忙しい中で学習していくので、数学が嫌い!、苦手!という子も出てくるだろう。数学が苦手な子を長年見てきたが、そういう子供たちには共通した特徴があるように思う。その点について今回は簡単にまとめていきたい。是非チェックして自分に当てはまっていないか考えていこう。
※私が何百人という数学が苦手な生徒を見た特徴をまとめたもので、効果を保証するものではないので留意してほしい。
中学数学が苦手な子に共通する3つの特徴
数学が苦手な子に共通する3つの特徴としては、
①基礎計算を大切にしない
②問題文の中で分からないところがあると思考を放棄する
③図や表を用いて考えない
である。
これらについて1つ1つじっくり見ていこう。
①基礎計算を大切にしない
第1としてはこれがあるだろう。
大切にしない、というのは6割~7割くらいの計算の理解にとどまってしまい、
完璧になるまで計算演習を積み重ねない!、ということである。
例えば正負の数の計算で考えてみると、
1,加減計算
2,乗除計算
3,加減乗除計算(四則計算)
を理解して計算方法を覚えなければならない。
こういった1つ1つの計算に関して
「大体やり方を覚えた」
と何度も何度も計算演習を繰り返さずに先へ進んでいく。
正負の数のような簡単な内容であればそれでも何とかなる。
しかし、それが積み重なっていき、文字式の計算、方程式の計算・・・・
と、難しい内容になっていくので、先へ進めば進むほど大変なことになっていく。
図形にしろ、関数にしろ、どのような分野にしろ、計算が出来なければ
数学の問題は決して解けない。
だから基礎計算に関しては、完璧になるまで解き込んでほしい。
完璧と言うのは、教科書~ワークレベルの計算問題を、
100問解いたら100問解ける
レベルのことをいう。
各単元でここまで徹底してできたら数学嫌いだとしても、
苦手にはならなくなるはずだ。
②問題文の中でわからないところがあるとすぐに思考放棄をする
苦手な子になればなるほどこういった特徴が多くみられる。
もちろん難しい問題になればわからない箇所も多くなるので、
仕方がない面もある。
しかし、何とか解こう!、どうにかしよう!という努力もせずに、
「あ~もう無理。全然わからない~。」
となってしまってはどうしようもない。
思考放棄したい気も分かるが、数学は『思考』の教科である。
自分で考えて解いていかなければ、力を身に着けることができない。
分からない文章題にぶち当たったら、
1, 何を求めたいのか、文に線を引く
2, ヒントになる箇所を問題文から見つけ、○をつける
3, 間違っているかどうかは置いておいてとにかく思いついた方法で問題を解いてみる!
というようにとにかく「手を動かす」ことを意識していこう。
こういった意識を持つだけでも大分変ってくる。
「あ~もう無理~・・・」ではなく、「わかんないけど、とにかく分かるところを探そう!」
と固まることなく、手を動かしていこう。
③図や表を用いて考えない
百問あって、百問とも自分の頭だけで考えて正答を出せるのであれば好きにやっていい。
しかし、そのようなレベルに達していないにもかかわらず、
図や表を用いて考えない
というのは怠けでしかない。
実際に問題を見て考えてみよう。
家から学校までの道のりを、はじめ分速60mの速さでx分間歩き、その後分速150mの速さで走ったところ、
10分で着いた。家から学校までの道のりは何mか。
このような問題があったとする。
②で説明したが、まずは何を求めるか、解くヒントはないか、とにかく手を使って考える。
ただ、それだけでは問題が解けない場合ももちろんある。
そういった時にこそ、図や表を使って考えなければならない。
問題文から考えると、歩いた分と走った分を足したら10分、ということがわかる。
また、歩いた分がx分だとすると、走った分は(10-x)分ということもわかる。
※歩いた分が3分だとすると、全体で10分かかったので、10-3=7=走った分となる。
このように分かるものをどんどん考えていき、図にまとめると・・・
以上のような図を書ける。
あとは、距離=速さ×時間、で出せるので・・・・
歩いた距離=60×x=60x ・・・①
走った距離=150(10-x)=1500-150x ・・・②
あとは①と②を足せば家から学校までの道のりが出てくる。
答えは、60x+1500-150x=-90x+1500
よって、-90x+1500(m) となる。
以上のように考えていこう。
指導をしている私ですら、問題を解くときには図や表を書くことを欠かさない。
中学生であればなおさら図を書くことが必要だと分かるのではないだろうか。
最初は自分で書けなくてもいい。徐々になれていき、
図や表を書いて考える、ということを習慣化していこう。
まとめ
①基礎計算を大切にしない→数学の基礎をおろそかにしない
②思考放棄する→とにかく手を動かしていく
③図や表を使って考えない→図や表を使って考えていくことを習慣化していく
以上のようにしていけば、徐々に数学が得意になってくるはずだ。
1つでも「特徴に当てはまっている!」、という場合は、早急に改善していこう。
それがきっと君の役に立つはずだ。