中学生にとって英語のリスニングはなかなか取り組みにくい単元だ。
しかし、東京都の都立入試の場合はなんと100点満点に対して20点分がリスニング問題なのである。約2割を占める配点の対策をほぼ皆無の状態で受験に臨む生徒も少なくない。
つまり、しっかりと対策して20点を取れることができれば・・・。今回はリスニング力をメキメキあげる3つのステップについてお話ししよう。
中学生のリスニング力をあげるには?
まず、大前提としてお話しするが、
1、基礎単語
2、基礎例文
がいくつも頭の中に入っていないとリスニングなんてできっこない。英単語を全然暗記していない、英語の例文も覚えていない。そもそも英語が苦手・・・という状態でリスニングだけ伸ばすのはハッキリ言って不可能だ。だからまずは、英単語の暗記と最低でも基礎例文の暗記をしてからリスニングに臨んでほしい。
リスニングの練習ステップ1:本文を見ながらCDを聴く
もしかしたら、君が抱いている常識とはかけ離れた勉強法かもしれないが愚直に信じてみてくれ。
リスニングの練習ステップその1は、本文を見ながらリスニング練習をすることだ。
君の常識であれば、何も見ずにまずはリスニングをして問題を解こうとするかもしれない。しかし良く考えてみて欲しい。そもそも違う言語で何言っているかわからないのに、じっくり聞けばわかるようになるものなのだろうか?
そうではなくて、まずは本文を見ながらCDをガンガン聞いてくれればいい。本文を目で追いながらCDを何度も何度も聞くのだ。
実は公立高校入試の英語リスニングでは教科書レベルのパターンしか出てこない。だから、とにかく慣れることが目的なのだ。
使う問題集はなんでもかまわないので、本屋さんでリスニング用の問題集を買ってこよう。
しっかりと本文と日本語訳が記載されているのものがいい。
高校入試のリスニング問題集は問題形式になっているものがほとんどだが、問題は解かなくて構わない。とにかく本文を見ながらリスニングを聞きまくる。これだけを徹底して1冊をやりこんでくれ。
実際のところこれだけで結構できるようになる。
リスニングの練習ステップ2:音読をする
音読は非常に効果的だ。
あの最難関校灘高校も英語の授業に3回音読を取り入れている。
効果的な音読の方法は以下の通りだ。もちろんステップ1が修了している前提でお話しする。
1、本文を見ながらCDと同時に音読する。
2、本文を見ないでCDと同時に音読する。
3、本文を見ないでCDより少し遅れて音読する。
この3つのステップだ。ちなみに3のCDより少し遅れて音読することをシャドーイングとも言う。
1、本文を見ながらCDと同時に音読する。
これはこの文章通りだ。まずは本文を見ながらでいいのでCDを真似て音読の練習をしてくれ。
イヤホンだと、自分の声がこもってしまうので、できればラジカセなどがいい。ラジカセを持っていない場合は、イヤホンを片方外したり、耳から少し浮かした状態で音読をしてみてくれ。結局自分の声が聴こえない状態だと音読をしても意味がないからだ。
大体3~4回音読を行えば、慣れてくるだろう。
2、本文を見ないでCDと同時に音読する
上記の音読1が終わったら、本文を見ずにCDを真似て音読の練習だ。
この頃には、君の英語に対する耳はかなり成長しているはずだ。本文を見ずに音読をすることによって、実は文章が頭の中に入ってしまっているので感覚的にCDよりも早く声が先に出てしまうかもしれない。脳がリスニングで言っている内容をしっかりと理解している証拠だ。
3、本文を見ないでCDより少し遅れて音読する。
これは、一時停止機能を使用する。
CDを流して1~2行流れたら一旦ストップ。そしてCDが言った内容を声に出して練習してみるのだ。これはシャドーイングとも呼ばれていて、留学のために英語を勉強する人、スピーキングの練習をする人に広く用いられている方法だ。
CDが話している内容を一旦、頭で覚えて自分の声で発するので定着しやすい。
これが音読の方法だ。
一見難しそうに見えるかもしれないが、慣れれば短時間でできるし効果も絶大だ。
音読を終えたあとに、リスニングCDを流し聞きしてみて欲しい。日本語に直す必要がなく英語が直接脳みそに入り込んできて理解できる感覚を味わえるはずだ。
リスニングの練習ステップ3:実際に問題を解く
この1~2ステップをこなした君であれば、相当な自信がついているはずだ。
上記1~2のステップも1ヵ月程度あれば、できるので高校入試を控えている中学生は年明けから仕上げとしてスタートする意気込みで大丈夫であろう。
そして2月に入る頃に、ステップ3の実際に問題を解く流れが理想なのではないだろうか。
実際に問題を解く問題集は自分の住んでいる都道府県の対策のものが良いだろう。
例えば、東京都であれば、リスニング問題を英語で回答する問題が2問出題される。つまり、リスニングの質問で何が問われているのか?を理解し、さらに英語で記述できる英語力が必要なのだ。疑問詞の答え方は訓練を積まなければできなので、各都道府県に特化した問題集を使うのが得策であろう。
こちらは問題集に沿って、解いてくれれば構わない。
多くの中学生がいきなり第3のステップからリスニングを始めるので、
聞き取れない
できない
どうすればいいのかわからない
といった状態になってしまう。そりゃそうだ。いきなり英語を聞いたところで別言語なんだから、その速さにいきなりついていくことはできない。だから第1~2ステップを1か月間かけてしっかり行うことによって、第3ステップが非常にはかどるのだ。
まとめ
中学生が英語のリスニング対策をするのであれば、いきなり問題を解き始めてはダメだ。
まずは、本文を見ながらリスニングをして慣れていくしかない。そして音読を通して英語が直接脳に入り込んでくる感覚を身に付け、それから実際に問題を解いていくのだ。
入試でも2割を占めるリスニングだが、真剣に取り組めている中学生は少ない。だからこそ、ステップを理解し徹底的に練習をすればライバルに差をつけられるのではいか。