今回は大学受験の英語勉強方法をまとめておく。
気合と根性!で、どうにかなればいいのだが、いくら時間をかけても英語が上達しない生徒もいれば、短期間で効率よく英語を習得する生徒もいる。
私の長年の経験から英語の勉強方法をすべてまとめてみた。
是非、参考にしてほしい。少々長くなるので、分割して読んで欲しい。あるいはブックマークに入れておいて、何度も読み直してくれ。
英語の勉強方法まとめ
【前提】
まずは、大学受験の英語学習における公式を覚えよう。
単語力×熟語力×文法力×構文力×精読量×多読量×リスニング=英語力
これは私が思う英語力の公式である。
左から順に学習を進めていくと勉強効率が良い。
逆を言ってしまうと、左の方が弱い状態で右にばかり手を広げてしまうと学習効率が一気に低下して、時間ばかりかかるが成果が出ない状態になる。
例えば、「単語力×熟語力×文法力」が弱い状態なのに、『自分は長文が読めないから、予備校で長文の授業を取ろう!』というようなことだ。多くの受験生がこのような状態に陥ってしまっている。
何度も言うが、左から順に勉強を進めていくのが学習効率が高いのだ。
【実践】
①単語力×熟語力
英単語と熟語の勉強方法は、「カード形式」のものを使う。というのが1つの方法だ。
「英単語ターゲット1900」と「英熟語ターゲット1000」を完璧にできれば、MARCHや関関同立レベルの基礎単語は完璧にできるだろう。
勉強方法の手順は以下の通りだ。
1、50枚ほど無作為に取る
まずは50枚ほどリングに通して、その日1日はその50語だけを覚えるようにしよう。
最低でも1日4~5回はやる。
1日1回やったくらいじゃ覚えられるものではない。
2、翌日にテストして追加する
昨日やった50枚を、「覚えているもの」と「覚えていないもの」に分ける。
カード形式の最大の利点はここだ。
自分の覚えていない単語だけを振り分けていくことができるのが、勉強効率を高める最大の方法である。
新たに覚える50枚に「覚えていないもの」を追加する。
つまり、翌日は「新しい50枚」+「昨日の覚えきれていないもの」になる。
3、繰り返す
上記の内容をただ繰り返せばいい。
前日に使用したものはテストをしてみて、「覚えているもの」と「覚えていないもの」にひたすら割り振っていく。
「覚えていないもの」はリングに追加していって、接触回数を増やすようにする。
4、6日くらい経ったら「覚えているもの」をやり直してみる。
5日ほど経ったら、「覚えているもの」として割り振ったものもテストをしてみる。
すると忘れてしまっているものがたくさん出てくるので、さらに割り振っていく。「覚えていないもの」を抜き出したら、それをひたすら覚える。
なぜ6日なのか?と言うと、1週間に1日くらいは新たに進めるのをストップして復習に専念したほうがいいからだ。
5、「覚えていないもの」がなくなるまで繰り返す
文字に起こすとわかりづらいかもしれないが、実際にやってみると2~3日もすれば要領が掴めるし、自分で工夫が生まれてくると思う。
紙ベースの英単語帳は順番で覚えてしまうということや、復習に時間がかかってしまうというデメリットがある。
しかし、紙ベースであれば、割り振り作業は数秒でできるので、
「覚えていないもの」だけ抜き出す→それだけ覚える
ということができる。
②文法力
次に英文法だ。
英単語と熟語をしっかりと暗記した状態で英文法に進むと、驚くくらい英文法の理解が進む。国語でも、語彙力が物凄いある人が国文法を学ぶと理解が早いように、英語でも語彙力があれば、英文法の理解が早くなる。
これにはちゃんとした理由がある。
脳は「わからない!」と思った瞬間に、理解する動作が鈍くなる。
だから、知らない英単語や熟語が出てきた時に、知らぬ知らぬ間に脳が拒絶してしまっているのだ。
前置きが長くなってしまったが、英文法の勉強方法に進もう。
まずは、「理解」しなければならない。英文法に関しては、結局のところ理解しなければならない。
1回で理解しようと思ってはダメだ。これくらいのレベルの英文法を1発ですべて理解できる人はハッキリ言って天才だと思う。私は現役で早稲田大学に進学しているが、高校3年生の時に、10回20回と繰り返すことで英文法はマスターした。
だから、何十回も読む前提でいよう。できないと辛くなるからだ。
読む作業には、かなりの時間がかかってしまう。
1日にそんなに進まなくていいから、1つの単元の半分くらい読めばいい。
暗記することも忘れないでほしい。比較の単元を読めば、「no more than 」「not more than 」「no less than」「not less than」などの、どうしても暗記しなければならない内容も出てくる。
そこは愚直に暗記していくしかない。
文法書を読んだら、問題を解く。
一般的な文法書は「文型」「時制」など24~25単元に分かれている。1日1単元ずつこなしていけば、1ヵ月ですべて終わるような計算だ。
「文型」のForestを読み終えたら、「文型」の問題を解くといった流れだ。
問題を解く時は絶対に書き込まないでやること。なぜなら、何度も何度も解くからだ。
間違えた問題にはチェックをしておいて、前日に学習した内容、前々日に学習した内容をどんどん復習していこう。
※理解力がなく全然解けない場合
そうは言っても理解力が乏しく、全然問題が解けない人もいるだろう。
その場合は、赤ペンですべて答えを書いてしまって赤シートで隠しながら覚える要領に勉強方法を切り替えてほしい。
実は私は受験生の時、このタイプだった。
理解 → 暗記
暗記 → 理解
では、後者の勉強方法が性分に合っており、すべてパターンや形で覚えてしまってから、徐々に理解していくタイプだった。
もし、どうしてもForestを何回読んでも理解できず問題を解いてみても解けない場合は、赤ペンで答えをすべて書いてしまって赤シートで隠しながら覚えよう。40~50回繰り返すうちに徐々に理解していくはずだ。
※学校や自分である程度文法をやっている場合
学校などでそこそこ英文法を一通りやっている場合は、いきなり「問題」から解いて良い。
Forestの解いてトレーニングを解いてみる → 答え合わせをする → わからないところ・間違えたところだけ文法書を読む
つまり逆から進めていくような流れだ。
3、出題形式の文法問題も解く
文法の基礎を終えたら、出題形式の文法問題にも取り組んで欲しい。「Forest解いてトレーニング」などはまさに文法の基礎の基礎だ。
出題形式になっていたり、バラバラになっているものを解いて初めて入試で点数が取れる。
「ネクステ」の場合・・・文法の単元ごとにまとまっている。
「英頻」の場合・・・文法の単元ごとにまとまっていない。バラバラ。
ネクステの場合は、出題形式別になっているが、時制だったら時制、比較だったら比較、とまとまって掲載されている。他にもイディオムや語彙、発音も掲載されている。
英頻の場合は文法の単元ごとにまとまっていない。
レベル的には、
ネクステ<英頻
というイメージだ。Forestの解いてトレーニングを相当こなしてから、上記2冊に入れば比較的短期間で終わらせられる内容だ。逆に言うと、文法の基礎ができていないのにネクステや英頻に手をつけると物凄い時間がかかる。
現役の高校生で学校でネクステなどのテストがあり、苦戦している生徒はハッキリ言って基礎文法が身についていないからだ。
私も経験している。
私個人的には、ここまでの英語学習ができていないのであれば次に進んでは駄目だと考えている。
自分の英語の知識がまっさらになって、0から英語を勉強するとしたら、私は徹底的に英単語・英熟語・英文法を学習する。最初の2~3ヶ月くらいはこの勉強しかしないだろう。
3、構文力
次に構文力の勉強方法だ。今までの勉強がほぼ完璧にできていれば、この構文力の単元をこなせば一気に英語力がつく。
私も教え子に、基礎文法と叩き込んだ上で例文を422題暗記させたら、おどろくほど英語力がついた。今までの点と点の知識に線でつながったイメージだ。
こちらの問題集は「長文」の勉強にもつながるし、「英作文」の勉強にもつながる。自分の受ける大学の出題傾向に応じて、どこまでやるかを決めて欲しい。
1、英語 → 日本語に訳す
2、日本語 → 英語に英作する
シンプルに言うと、この2つだ。
300しかないので、1日10題ずつでもやれば、1ヵ月で終わる。文法力がある状態であれば1日10題ずつはなんら難しくないだろう。
受ける大学に英作文がある場合は、日本語→英語のステップも必ずやってほしい。英作文が無い場合も英語の力をつけたいなら、やっておいて損はない。
付属のリスニングCDは後で活用する。
4、精読量
次に精読力の勉強方法は。精読とはその名の通り、1文1文丁寧に訳すことを言う。
1つ前の英語構文300題では構文力をつけながら、精読の練習をしていたようなものだ。精読力をつけるためには、自力で訳す!しか方法はない。
訳を眺めて照らし合わせて英語が訳せるほど甘くはない。
地道に英文を日本語にすることをしてほしい。だった僕らは日本人だから。大学受験のために勉強をしているから。
基礎英文解釈の技術100は「英文の読み方」を学ぶすばらしい教材だ。使い方は以下の通り。
1、見開きの左上の「例文」を読んで頭の中で訳してみる。
2、解説をじっくり読む。
3、右下の「演習」を自分で訳す。
4、別冊の解説をじっくり読む。
これを100題繰り返せばいいだけだ。
「どうしてこの訳になるのかわからない!」「文構造が理解できない!」という場合は、学校の先生や塾の先生に質問しよう。
難関大学を目指している生徒は、「英文解釈の技術」に取り組んでもいいだろう。
「英文解釈の技術」のレベルは早慶や難関国立大学の前期試験レベルの文章だ。かなり骨の折れる文章ばかりなので、時間がある場合は取り組もう。
こちらのリスニングCDも後で活用する。
5、多読量
こちらに関しては、勉強方法はもう言わずもがなかもしれない。
とにかくたくさん英文を読んで解くだけだ。数をこなせばこなすほど慣れてくるし、読むスピードも速くなってくる。
多くの受験生が今まですべてのステップをすっとばして、この多読を学校や予備校でやっているから恐ろしいことなのだ。あまりにも勉強効率が悪すぎる。今までのステップを完璧にした状態で多読に進めば、おもしろいほど英語の勉強が捗るのに。
使う教材はなんでもいい。
しっかりとここまでのステップにたどり着いた人なら、もうあとは解いて解いて説いて解きまくればいい。
だから問題集も英文が載っているだけではなく、問題も載っているものを選んでほしい。5~10題しか掲載されていないのに、1,500円くらいするのは残念だが・・・5~6冊は取り組みたいところだ。
付属のCDもすべて取っておいてくれ。
6、リスニング
センター試験ではリスニングがあるが、多くの受験にとっては一般入試ではリスニングがない。
英文科を受験する人は長ったらしいリスニングの試験があるが・・・一般入試でリスニング無い人でもこのステップは必ずやってほしい。なぜなら・・・
読むスピードが圧倒的に速くなるからだ!
そして、左から右に流れるように英語が読めるようになるからだ!!
大学入試の英語は限られた時間内で長文を読まなければならない。いつも時間無いに終わらない人にとっては朗報だろう。
リスニングの勉強方法は以下の通りだ。
ここで、「英語構文基本300選」「基礎英文解釈の技術」「ハイパートレーニング」などの付属CDが鬼のように効果を発揮する。
1、スクリプトを見ながらリスニングを聞く
2、スクリプトを見ずにリスニングを聞く
3、繰り返し
以上だ。これほど簡単にリスニング力がついて英語を読むのが速くなる方法はないだろう。
ポイントは、「過去に読んだことのある文章」をリスニングするというところだ。
まったく読んだことのない文章をリスニングするのは大変だが、読んだことのある文章だったら頭に焼きつきやすい。
まずは文章を見ながら(目で追いながら)リスニングを聞く。この目で追う動作が長文読解を速くする。
次に文章を見ずにリスニングだけをする。すると、ビックリするくらい内容が頭に入ってくるし、細かい英単語の発音や意味なども定着する。
「基本構文300選」「基礎英文解釈の技術100」「ハイパートレーニング」
と精読から多読に進んでいったわけだ。実は文章も徐々に長くなっていっているので、順を追って取り組んでくれれば、リスニングの勉強も捗るのだ。
英文科を受験する生徒は、長めの文章のリスニングを何題もこなせば力がつく。
初めて聞くリスニングでリスニング力をつけていくなんてナンセンスだ。何度も読んだことのある文章をリスニングすることによって、リスニング力がつくのだ。
まとめ
これが大学受験の英語勉強方法完全版だ。
戦略なしに大学受験の英語を勉強している学生が非常に多くて私は非常に残念がっている。しかもアドバイスを与えてもなかなか自分のスタイルを変えようとしない。
真に成功する人物は、成功事例を完璧にモデリングできる人だ。
君はこの勉強方法を愚直にこなしてくれると信じている。