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2014年7月のニュースが世間を騒がせた。

国公立大学の一橋大学が2018年に英語圏への4週間の留学を必修としたのだ。

例えば、英語英文学科や国際教養学部などの英語を専攻とする学部で、さらに私立大学の場合であれば留学を必修化するのは授業のカリキュラムを考えても至極当然のように思える。しかし、国立大学が、入学者全員を留学必修の対象としたことには少々驚きが隠せないのが本音のところだ。

留学とは、個人の選択の自由のように感じられることだが・・・なぜ留学が必修化なのか?を考えてみたい。

 

一橋大学はなぜ留学を必修化したのか?

2014年11月19日の一橋新聞WEBにて山内進学長になぜいま留学必修なのか?を問うインタビューが掲載された。

【以下引用】

読み、書き、聞き、話すというトータルな英語力を考えると、日本の学生は高校までの教育で重点的に学ぶ読み以外の部分が弱い。その弱い部分を強化するため、集中的に勉強させようというのがまず一つ目の意図です。もう一つは、海外に行くこと自体が良いんです。異文化の中で様々な経験を積み、それを踏まえて自分なりに今後について考えるということですね。語学を含め、自分がどう勉強していけばいいか当然考えることになるでしょう。大学に入学し、早い段階でそういう経験を積むことが非常に大切になると思います。一か月で集中的な教育を受けたから急に成績が上がるということはないかもしれませんが、それでもその後の展開・発展のためには大きな意味があると思います。そういう経験を積む機会を大学が与えることが大事だと思っているわけです。

卒業して企業に勤めると、「TOEFLやTOEICは何点だ」と聞かれ、成績が悪ければ「語学の勉強をして来い」と言われてしまう。そんなことを言われては馬鹿馬鹿しいですから、学生時代に勉強しておいた方が良いと思っています。
また、自分はどうしても海外で勉強したくないという学生は無理に留学する必要はありません。TOEFLやTOEICの成績次第で、留学しなくてよいというシステムがあっても良いと思います。大学として、この学生はこれだけの勉強をし、実力を持っていると保証をしなくてはなりませんので、相応の能力があることを証明してもらう必要はあります。

【引用ここまで】

巷では、たったの4週間留学したところで、英語力が向上するようには思えないといった意見が多くみられているようだが、上記の文面から察すると留学をきっかけとして、英語学習に力を入れて欲しいと考えているように感じる。

確かに英語圏に留学をするに当たって、準備が必要になるし刺激も得られる。

一橋大学に進学するほどの真面目に勉強してきた生徒ならば、これから自分の海外での1ヵ月の生活を想像して、事前に会話表現などを勉強するはずだ。そして、1か月間の生活で、自分の言いたいことを伝えられないストレス、言語学習の重要性を認識するだろう。

4週間の英語圏の留学だけでなく、その前後を考慮して留学制度を導入しようとしているのではないだろうか。

なぜ上記のように考察するかと言えば、どうしても留学をしたくない人に対しては、TOEFLやTOEICの成績次第で免除という点だ。

どうしても行きたくない場合は、代替を達成することによってのみ免除されるということは、「目的としている英語力の向上」だけは達成しなければならないということだ。

 

 

留学必修は広がるか?

一橋大学に続く形で、立教大学と早稲田大学も留学必修を検討している。

なぜ、今後の日本にとって英語が必要なのか?を考えてみた。そしてその必要性から留学必修が当たり前になるかもしれない予測を立てた。

 

理由その1:人口が減るから

グローバルに活躍するための人材を育てる!

と日本の政府は意気込んでいる。

大学入試でのTOEFLの導入
小学校3年生から英語の必修化

などなど、挙げればいとまがないが、日本人が世界に出て活躍する!というよりは、今後外国人を多く日本に入れる動きが出ているように感じてならない。

日本は超少子高齢化を現在進行形で体験しているので、これから少なくなっていく若者が増えていく老人を支えていくことは理論上不可能だ。

実際、2014年→ 2015年にかけて円が対ドルで80円から120円と安くなった。円の価値が安くなれば、外国人にとっては旅行をしやすくなりお金を落としやすくなる。

事実、日本政府観光局のデータによるとここ数年で右肩上がりで外国人観光客が増えている。

2014年8月と2015年8月を比較すると約110万人→約180万人と63.8%も伸び率が上がっているのだ。

データ: 2003~2015年月別外国人観光客

外国人のために、信号交差点にある地名もローマ字に変化している。

Yasukuni Dori → Yasukuni Ave.

に代わるし、美術館はArt Museum 、KokkaiはThe National Dietに・・・・

逆に日本人がわからなくなってしまうかもしれないが・・・生活に英語が溢れても問題がないように英語教育を進めているのかもしれない。
このように日本人は人口が減ることが予めてわかっているので、外国人にお金を落としてもらうために英語でおもてなしをしなければならないのだ。

 

 

理由2:単純労働は機械と外国人に代わるから

2014年11月の記事にて驚くべき調査が発表された。イギリスのオックスフォード大学が今後10年間で消える職業を発表したのだ。

そのうちのいくつかを紹介したい。

・電話のオペレーター
・レストランの案内係
・ネイリスト
・データ入力作業員

などなど、一定の動作を繰り返す作業はすべて機械にとってしまわれると言うのだ。

データ:現代ビジネス

 

しかも恐ろしいことに90%以上の確率で、これらの仕事がなくなるというのだ。

 

さらに東京の都心にいる方ならお気づきかもしれないが、コンビニエンスストア、レストランのアルバイトをしている人たちに外国人労働者の比率が非常に高くなっているのだ。

まだまだ日本はアジアの国々の人たちにとっては魅力的な賃金なので喜んで単純労働をする。

日本人であれば、賃金の上がっていかない単純労働を何十年も続けるのはライフプラン的に難しい。しかし、外国人は出稼ぎにきているので、日本人にとっては退屈で単調な仕事でも一生懸命に取り組む。

 

そうなってくると、日本人の仕事はどうなるのか?

これら機械や外国人労働者をマネジメントする仕事は必然的に増えてくるだろう。

介護の仕事が政府の骨太の方針に従って、外国人技能実習制度に加わり、介護の複雑な難しい用語も簡略化する流れが生まれている。しかし、今後は外国語を使ってコミュニケーションを取らなければならなくなるだろう。

というのも、東南アジアの学生たちが日本語を学んで仕事を求めるにくるには、もちろん彼らは日本語を勉強しなければならない。しかし、日本にそれほどまで魅力がなくなっていったら、その対象は英語や中国語になってしまうのだ。つまり、英語をコミュニケーションツールとして使用するようになるはずなのだ。

 

理由3:英語を使えないと仕事が成り立たないから

日本の産業は衰退していく。

モノ・サービスが溢れているし、少子高齢化が進むについて消費が増えていったり、物価が上がっていくことは考えづらい。現在は日銀は量的質的金融緩和のもと物価をあげるために奮闘しているが、そもそも物価とは経済成長に付随してあがっていくものだ。

そうなると国内に消費を見いだせない企業はどうなっていくか?

想像すれば簡単だが、海外との取引を増やすしかない。しかし日本の企業は過去に痛い目を見ているので、外国に打って出ることに少しアレルギーがある。

最も足を引っ張っているのが言語や文化の問題だ。だから、日本の内部に有能な外国人を誘致して橋渡しをさせてきた。

 

具体的な説明を省くと抽象的に聞こえてしまうが、グローバル化とはヒト・モノ・カネが国境を越えて横断することだ。

日本だけがグローバル化の波に取り残されてしまっている状況をすぐにでも改善していかなければならない。

 

そうなると、英語を使えないと仕事が成立しないのだ。

事実、グローバル企業は社内公用語を英語に変えて、TOEICのスコアを満たしていないとそもそも入社の選考すらしてもらえない。

今後、この10年間でこの流れは強まっていくに違いない。だからそもそも英語ができないと人気企業は就職できないのだ。

 

 

まとめ

 

上記の理由から、社会の流れを考えると留学必修化の流れは広がっていくかもしれない。

極論だが、すべての上場企業がTOECのスコアをマストにした瞬間、留学必修化の流れは一気に広がるだろう。

というのも、大学も少子化の影響を受けるので、留学を制度化しないと生き残れなくなるかもしれないからだ。